アウトサイダー
幸せな家族というものを失った私たちが、最も憧れる温かい家庭と、自分たちの城。
それを作りたいとずっと言っていた。
私たちが何度もデートを重ねた住宅街で、彼はそう決めていたのだ。
日の当たる大きなリビングに響き渡る笑い声。
大きな庭には色とりどりの花が咲き乱れていて、芝生が敷き詰められている。
2階には広い寝室と、可愛らしい子供部屋。
私たちの空想を、いつか叶えるんだと。
そして、『一緒に住むぞ?』って、あのキーホルダーをくれた時、そう言ってくれた。