アウトサイダー
大学に行かなければ、どんなに最短でも12年ほどかかるという。
そんなには待てない。
お母さんも楽させてあげたい。
それなら、大学に行くしか……。
それは、いつしか私の夢にもなった。
彼が作った家に二人で住んで、やがて子供ができて……。
だけど、その夢も終わる――。
「太陽……」
私は思い切って口を開いた。
「なんだ、どうした?」
「女の人、抱いたこと……ある?」
「紗知?」
私の突拍子もない質問に、目を丸くして驚いている彼。
無理もない。
キスだけで真っ赤になる私が、こんな言葉を口にしているのだから。