アウトサイダー
「なら……抱いて?」
「紗知、お前……」
「お願い、太陽」
それからどれだけ見つめあったのだろう。
ほんのわずかだったかもしれないし、すごく長かったのかもしれない。
だけど、私の心からの訴えは、彼に届いた。
真剣な顔をした太陽が、ゆっくり近づいてくる。
彼の柔らかい唇が私のそれに触れた時、静かに目を閉じた。
初めての深いキス。
どうすればいいのかさえわからない私は、ただ、されるがままに体を委ねた。
息が上手く吸えないのは、キスのせいなのか、それとも心が苦しいからなのか。
やがて、そのままベッドに押し倒されたとき、緊張で震えそうになって太陽のシャツをギュッとつかんだ。