アウトサイダー
「紗知、イっていいか? 俺、もう……」
このままこうして抱き合っていられたら、どんなに幸せだろう。
鈍い痛みもそれを含めて全部幸せ。
私が小さく頷くと、彼は私に腰を打ち付けるスピードを上げる。
「あっ……あっ……」
彼の動きに合わせて声が漏れてしまう私。
もうまともに彼の顔を見ていることがつらくなって、両手で顔を覆う。
「紗知、顔を見せて?」
息を荒げながらそう囁く彼に、両手を拘束されてしまって。
「辛いのか?」
「ううん。すごく幸せなの。すごく、すごく」
私のあふれ出る涙に優しくキスを落としながら、彼の口からも唸るようなため息が漏れる。
「あっ……紗知……」
彼が私の名を呼びながら果てた時、もうこれで思い残すことはないと思った。