アウトサイダー
あんなに……。
太陽に抱かれた時のあの温もりが、どうしても忘れられない。
たった一度だったけれど、確かに一つになったんだ。
この世で一番大切なあの人と。
泣いた。
どこからこんなに涙が出てくるのか不思議な位、後から後から涙があふれてくる。
だけど、いつもなぐさめてくれていた太陽は、もうどこにもいないんだ。
どうしよう、太陽。
あなたに会いたくて仕方がない。
けれど、会いに行くことすらできないの。
私たちは、過去のいっさいを捨てることを約束させられてしまったから。
そうでなければ、ここにいることもできない。
母をもう、苦しませたくなんてない。
私の居場所は、失われてしまった。