アウトサイダー
懐かしい景色が目に飛び込んできたとき、私はハッと我に返った。
私がどんなに太陽に恋い焦がれていたとしても、彼はどうか分からない。
もしかしたら、彼は私以外の誰かを愛し、抱いているのかもしれない。
だって私だって……健に――。
一気にトーンダウンした私の気持ち。
ずっと一緒だなんてあんな言葉、気持ちの盛り上がっているカップルなら、普通にささやくじゃない。
それなのに、私は……彼のそんな言葉を――。
いや、違う。
彼は私にいつか家を設計してくれると言った。
私たちの、家を。
もったいなくて使うことができない彼からもらったキーホルダーは、今でも私の一番大切な宝物だ。
このキーホルダーには、彼の建てた家の鍵しかつけたくない。