時を戻して 《TABOO》
レストラン
「へぇ、こんな店知ってるんだ。」
閑静な住宅街の中に佇む一軒家を改造したレストラン。
恋人の隆は物珍しそうに洒落た店内を見回している。
「ネットで評判よかったの」
と嘘を吐いた。
私はこの店を知っている。
や、この店のオーナーを知っている。
木崎拓哉…かつて私と愛し合った男だ。
突然来た私にオーダーを取りに来たオーナー兼シェフの拓哉は言葉を失っている。
――らしくないじゃない。
動揺する背中に、心の中でほくそ笑む。
湧き上がる激しい憎悪。
たった一度の過ちだった。
でも、それは決して許すことのできない過ち…
彼は私の親友を抱いた。
復讐…それが今日ここに来た理由だ。
< 1 / 3 >