光の花は風に吹かれて
「同じことを……言うのですね」
セストはソファの背もたれに首を預けて天上を見上げた。
――きっかけが偽りでも、ローズさんの行動は本物。
――ローズがこの城に来て過ごした時間は何だ?
レオもリアも、“今”のローズを見ろと。
けれど、その“今”が育ったのは偽りの種があったからで。偽りの上に成り立つ真実があると信じろと言うのは無理がある。
今、ローズとセストの関係は利用された人間とした人間、それだけだ。
ローズはもう夢の中を彷徨う子羊ではない。
彼女はセストに失望し、ルミエール王国へ帰る。それでいい。
それでいいのに、どうして――ローズはまだセストを追いかける?
これ以上、セストに何を求める?
なぜ、ローズのことを考えて眠れない?
あぁ、バラの茎が絡みつく。
セストを逃がしてくれない。
痛い。苦しい。恋しい。
もう、偽りの花は刈り取ったのに――
セストはソファの背もたれに首を預けて天上を見上げた。
――きっかけが偽りでも、ローズさんの行動は本物。
――ローズがこの城に来て過ごした時間は何だ?
レオもリアも、“今”のローズを見ろと。
けれど、その“今”が育ったのは偽りの種があったからで。偽りの上に成り立つ真実があると信じろと言うのは無理がある。
今、ローズとセストの関係は利用された人間とした人間、それだけだ。
ローズはもう夢の中を彷徨う子羊ではない。
彼女はセストに失望し、ルミエール王国へ帰る。それでいい。
それでいいのに、どうして――ローズはまだセストを追いかける?
これ以上、セストに何を求める?
なぜ、ローズのことを考えて眠れない?
あぁ、バラの茎が絡みつく。
セストを逃がしてくれない。
痛い。苦しい。恋しい。
もう、偽りの花は刈り取ったのに――