光の花は風に吹かれて
白い肌は明かりのついていない部屋の暗闇の中で輝いて見えた。

溶けるように重なる肌、甘く誘うローズの香りに酔いしれて、セストはハッと息を漏らす。

「ローズ……」
「っ、セスト、様ッ――んっ」

名を呼び合えば、ゾクリと駆け上がっていく刺激に呼び覚まされる本能。

ベッドに肘をつき、汗ばんだ肌に貼り付いた髪を除けてローズの頬を包む。

潤んだ瞳と目が合って、思わず緩む頬。

「これが、愛を伝えるということですよ?」
「――っ」

大きな波に揺られ、返事とは言い難い声がローズの小さな唇から漏れる。セストはフッと笑い、ローズの肩を抱き寄せた。

隙間がなくなるほどに合わさった肌。

ローズがセストの肩にしがみ付く。その熱い吐息がセストの首筋をくすぐって甘美な夜を彩るように……

「セ、ストっ、さ――っ」

その歌の終わりは、いつまでも続くかのような余韻を残し……セストはギュッと、ローズを抱き締めた。
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