光の花は風に吹かれて
「セスト様、お疲れなのですか?」
「えぇ」

食事中、ローズはよく喋る。そのため、なかなか皿が綺麗にならないのだけれど、彼女にとってセストとの会話は食事よりも大切なようだ。

「今日もずっとお仕事をなさっていましたものね」
「えぇ」

セストは適当に相槌を打ちながら目の前の肉を食べ続けた。

「お肉、好きなのですか?」
「えぇ」

メインの皿を空にして、プリンに手をつける。

「デザートも?」
「えぇ」

素早く食べ終わると、席を立つ。まだ仕事が残っている。ローズに付き纏われて溜まっている分がたくさん。

「あ、セスト様!待ってください!」
「まだ仕事が残っております。ローズ様はゆっくり召し上がって下さい」

微笑んで言い残し、セストは食堂を出た。
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