光の花は風に吹かれて
セストは努めて冷静に、会場を1周してローズの姿を探した。だが、求める色がなくて自然と足が速くなる。
(いない?部屋……いや、確かにこちらに戻って――)
会場内にいないのなら、テラスか、この会場から近い中庭か。
テラスは先ほど近くを通りかかったけれど、人はいなかった。セストは中庭へと出られるガラス戸へと進み、外へと出た。
「…………か……なら、ローズ様も…………」
「お前…………ククッ……」
同時に聴こえてくる話し声と上品とは言い難い笑い声。
セストは暗闇に目を凝らし、中庭を見渡した。
少し離れた木のそばで2人の男がワイングラス片手に談笑している。その様子からして、やはり品の良い話ではなさそうだ。
普段ならやんわりと注意しにいくだろうが、先ほど出たローズの名前が気になってセストはそっと死角になっている木に身を潜める。
「――っ!?」
「セ――っ」
だが、そこにいた先客に思わず声を出しそうになった。
セストが探していた彼女もまた驚いたようで声を出しそうになり、セストは咄嗟に彼女を抱き寄せて自分の胸にその泣き顔を押し付けた。
触れた剥き出しの肩がとても冷たい。真冬だというのに……いつからここで泣いていたのだろう。
(いない?部屋……いや、確かにこちらに戻って――)
会場内にいないのなら、テラスか、この会場から近い中庭か。
テラスは先ほど近くを通りかかったけれど、人はいなかった。セストは中庭へと出られるガラス戸へと進み、外へと出た。
「…………か……なら、ローズ様も…………」
「お前…………ククッ……」
同時に聴こえてくる話し声と上品とは言い難い笑い声。
セストは暗闇に目を凝らし、中庭を見渡した。
少し離れた木のそばで2人の男がワイングラス片手に談笑している。その様子からして、やはり品の良い話ではなさそうだ。
普段ならやんわりと注意しにいくだろうが、先ほど出たローズの名前が気になってセストはそっと死角になっている木に身を潜める。
「――っ!?」
「セ――っ」
だが、そこにいた先客に思わず声を出しそうになった。
セストが探していた彼女もまた驚いたようで声を出しそうになり、セストは咄嗟に彼女を抱き寄せて自分の胸にその泣き顔を押し付けた。
触れた剥き出しの肩がとても冷たい。真冬だというのに……いつからここで泣いていたのだろう。