光の花は風に吹かれて
本当のこと――子供を産めない身体だと、そういうことなのだろうか?

確かに跡継ぎのことを考えたら、重要な問題なのかもしれない。けれど、それだけで離縁――せっかく作った“繋がり”を捨てる――というのも、安易な気がする。

王家に嫁いだ女性にとっては死活問題だろうけれど、ローズの場合は逆で、王家から上流貴族へと嫁いだのだ。

王と少しでも血の繋がりのある子供を授かることができなかったのは、政略結婚の意味を考えたら軽視できない問題だけれど……何かが変だ。

ルミエール王国では国王や王子たちは側室を持てるし、上流貴族も公には言わないが愛人を作っていることが多い。変な言い方だが、子供には困らないだろう。

それならば、“跡継ぎ”ではない子供が欲しい――?

浮かんだ考えに、セストは眉を顰める。

愛する人との子供を――いや、政略結婚の上、離縁までしているのだ。ローズの元夫が彼女を愛していたとは考えづらい。
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