光の花は風に吹かれて
ローズはふらりとその場に膝をついた。
呼吸が荒いのは、セストが彼の記憶を交えてローズの記憶修正を行ったから。
「私が貴女に夢を与えたのは、貴女に利用価値があったからです」
ローズは震える指先で唇をなぞった。
つい先ほどまで温かかったはずのそれは、驚くほどに冷たくなっていた。
「花は、咲きませんでしたね。いえ……咲くわけがなかったのです。貴女の気持ちの種が、偽りなのだから」
偽り。
夢。
ずっと……ローズは夢の中で生きていた?
「さようなら」
ローズの視界からセストの靴が消えて、ローズの瞳から頬へ一筋の涙が伝った。
さっきまでハッキリと耳に届いていた春の暖かい風の音が、聴こえない――
呼吸が荒いのは、セストが彼の記憶を交えてローズの記憶修正を行ったから。
「私が貴女に夢を与えたのは、貴女に利用価値があったからです」
ローズは震える指先で唇をなぞった。
つい先ほどまで温かかったはずのそれは、驚くほどに冷たくなっていた。
「花は、咲きませんでしたね。いえ……咲くわけがなかったのです。貴女の気持ちの種が、偽りなのだから」
偽り。
夢。
ずっと……ローズは夢の中で生きていた?
「さようなら」
ローズの視界からセストの靴が消えて、ローズの瞳から頬へ一筋の涙が伝った。
さっきまでハッキリと耳に届いていた春の暖かい風の音が、聴こえない――