光の花は風に吹かれて
ローズの元夫はパトリスという彼女と同じハーフの闇人だった。前議長の前妻が闇人だったのだ。

闇人の復活――政略結婚の意味とローズの心の傷が“子供を産む”ということならば、その答えに行き着くのは自然だった。

ダミアンが自ら滅ぼした闇人を生み出すことに矛盾もあるが、“従順な”闇人を育てることに重きを置いているのならわからなくもない。

ローズの話のように、天候を操るという大きな能力を持った闇人を何人も生み出し、力による支配を考えているのなら納得がいく。

その闇人たちが王家の血を引いている、というのも大きなポイントになる。王家との切り離せない繋がりを持つ彼らに闇人の統治を任せるということが、それだけで重要な意味――直接管轄できるということ――を持つのだから。

ところがローズに子供が宿ることはなく、パトリスは他の闇人の生き残りとの間に子供を作った。更に組織内で同時期に産ませた子供たちへ、買収したクラドールを使ってチャクラ移植を行った。

その中で成功した例も出たが、ほとんどが不適合で生まれて間もない命を落としたようだ。

確実な方法――生き残りがたった２人など、それはただの人体実験だ。

（気分が悪い）

子供を道具としか考えていないルミエールの人間。ローズがヴィエントを“夢の国”だと言ったのも頷ける。

これはセストの推測だが、成功した赤ん坊はおそらく純粋な闇人として、光属性のチャクラを元々持たなかったのだと思う。

何にせよ、結局はクラドールの裏切りによって闇人はまたその遺伝子を減らしたのだ。
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