桜の木の下で
秘密
見上げると古い木造の建物。
雪深い山の中にあるこの中学を卒業して10年。
あたしの元に届いたハガキには同窓会のお知らせと今年度で廃校になる知らせが書いてあった。
古い校舎の中で始まった同窓会。母校を惜しむ声があちらこちらで聞こえる。
そんな中、そっと教室を抜け出して中庭へと足を運んだ。
校舎の隅に立つ大きな桜の木。
この季節、淋しいほどに葉も何もないけれど、見上げる程大きなこの木はここで一番好きな場所で、
「久しぶり」
昔の淡い思い出の場所だったりもする。
振り返ると、先輩が真っ直ぐに私を見つめて立っていた。
雪深い山の中にあるこの中学を卒業して10年。
あたしの元に届いたハガキには同窓会のお知らせと今年度で廃校になる知らせが書いてあった。
古い校舎の中で始まった同窓会。母校を惜しむ声があちらこちらで聞こえる。
そんな中、そっと教室を抜け出して中庭へと足を運んだ。
校舎の隅に立つ大きな桜の木。
この季節、淋しいほどに葉も何もないけれど、見上げる程大きなこの木はここで一番好きな場所で、
「久しぶり」
昔の淡い思い出の場所だったりもする。
振り返ると、先輩が真っ直ぐに私を見つめて立っていた。
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