友達の弟
彼は見違えるほど大人になっていた。

笑うとあどけなさも残っていて、そのアンバランスさがたまらない。


「真美、いい人見つかって良かったね。」

「うん。舞さんは結婚しないの?」

「私、男運ないから。今の彼もすぐ浮気するバカ男だし、別れちゃうかも。」

「ふーん.....」


彼はグラスをカラカラ言わせながら視線をそらし、何か考えているようだった。


「ねぇ、あん時のこと覚えてる?」

「え?」
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