1月のサンタクロースは神社へ行く
3杯目の甘酒を胃に収めると、そろそろ夕刻に近づいてきた。
「胃がちゃっぷんちゃっぷんですよ」
トナカイは甘すぎる甘酒を無理矢理にお腹に流し込んだ。
「修行が足りねぇからだよ」
そう言うタクローの手にはワンカップが握られていた。
「そもそもなんでこんなところで待たなければならないんです?」
「あ?このタコが、ほら、あれを見れ!」
タクローが顎でしゃくった先には、お賽銭を投げ入れる人の山がこれでもかというほどにたくさん並んでいた。
「はぁ」
毎度のことのようにトナカイが首を傾ける。
「今夜はあれをいただく」
「何をです?」
「金だろうが」
「・・・まさかのお賽銭ですか?」
そぉよとばかりに大きく頷き、ワンカップを一口飲み、顔をしかめる。