金色のネコは海を泳ぐ
ルーチェが診療所の掃除を終えて2階の自宅へと上がると、リビングでジュストが勉強をしていた。
最近、グラートに文字の読み書きや呪文の基礎を教わっているのだ。今はブリジッタと買い出しに行ってしまったグラートから出された課題でもやっているのだろう。
グラートはジュストが人間だということがわかってから、彼を本当の息子のように可愛がっている。
学校に行ったことがないと知るとすぐに勉強を教え始め、ジュストも飲み込みが早く着実に“人間の男の子”として成長しているのだが――
「あ!ルーチェ、今日の研修はもう終わったの?ねぇ、僕と海に行ける?」
ルーチェにベッタリなのは変わらない。
「中間試験があるからしばらく無理って言ったでしょ?」
「どうして?ルーチェ、学校の成績はAがいっぱいだったよ。それでも勉強するの?」
いつのまに人の成績表を見たのやら……
ルーチェはため息をついてテーブルの上のノートを指差した。
「勉強は積み重ねなの。成績が良くても、続けないと悪くなるよ。それに、ジュストも宿題があるんでしょ?ちゃんと終わらせないとダメだよ」
ジュストはルーチェの指先を視線で辿ってノートを見る。
「わかったよ」
少し肩を落として座り直し、ノートに書き込みを始めたのを見てルーチェは部屋へと向かった。
最近、グラートに文字の読み書きや呪文の基礎を教わっているのだ。今はブリジッタと買い出しに行ってしまったグラートから出された課題でもやっているのだろう。
グラートはジュストが人間だということがわかってから、彼を本当の息子のように可愛がっている。
学校に行ったことがないと知るとすぐに勉強を教え始め、ジュストも飲み込みが早く着実に“人間の男の子”として成長しているのだが――
「あ!ルーチェ、今日の研修はもう終わったの?ねぇ、僕と海に行ける?」
ルーチェにベッタリなのは変わらない。
「中間試験があるからしばらく無理って言ったでしょ?」
「どうして?ルーチェ、学校の成績はAがいっぱいだったよ。それでも勉強するの?」
いつのまに人の成績表を見たのやら……
ルーチェはため息をついてテーブルの上のノートを指差した。
「勉強は積み重ねなの。成績が良くても、続けないと悪くなるよ。それに、ジュストも宿題があるんでしょ?ちゃんと終わらせないとダメだよ」
ジュストはルーチェの指先を視線で辿ってノートを見る。
「わかったよ」
少し肩を落として座り直し、ノートに書き込みを始めたのを見てルーチェは部屋へと向かった。