金色のネコは海を泳ぐ
ジュストのノートには、少し不恰好な文字が並んでいる。このノートは語学用のものらしく、文法や単語などのスペル練習がぎっしり書かれていた。
他のノートをパラパラと捲れば、数学やクラドールについてまでも学んでいることがわかる。
クラドールのノートが2冊あるのは、グラートが教師であるせいだろう。
「あぁ、歴史とかをやっていないから……」
ルーチェはホッと息をついた。ジュストが学んでいるのは生活に直結するような科目のようだ。それでも、2ヶ月でここまで進んだのは優秀な方に入るだろう。
「レキシって何?」
「昔のお話、かな」
ノートを閉じて、ルーチェは本棚から自分の勉強用に参考書を取り出した。そして椅子に座って机に向かう……が、背中に視線を感じて振り返るとジュストがじっとルーチェを見つめていた。
「何?」
「ルーチェ、どうして僕の隣に座らないの?」
確かに、ジュストの隣にはスペースがあり、テーブルにも余裕がある。2人並んで勉強をすることも可能だ。
「こっちの方が集中できるの」
いつも勉強している慣れた机に椅子がいい。それは本当。
ジュストの隣に座りたくないのは、ジュストが純粋過ぎて……ルーチェのペースを乱すからだ。
だからできるだけ距離を置くようにしている。
他のノートをパラパラと捲れば、数学やクラドールについてまでも学んでいることがわかる。
クラドールのノートが2冊あるのは、グラートが教師であるせいだろう。
「あぁ、歴史とかをやっていないから……」
ルーチェはホッと息をついた。ジュストが学んでいるのは生活に直結するような科目のようだ。それでも、2ヶ月でここまで進んだのは優秀な方に入るだろう。
「レキシって何?」
「昔のお話、かな」
ノートを閉じて、ルーチェは本棚から自分の勉強用に参考書を取り出した。そして椅子に座って机に向かう……が、背中に視線を感じて振り返るとジュストがじっとルーチェを見つめていた。
「何?」
「ルーチェ、どうして僕の隣に座らないの?」
確かに、ジュストの隣にはスペースがあり、テーブルにも余裕がある。2人並んで勉強をすることも可能だ。
「こっちの方が集中できるの」
いつも勉強している慣れた机に椅子がいい。それは本当。
ジュストの隣に座りたくないのは、ジュストが純粋過ぎて……ルーチェのペースを乱すからだ。
だからできるだけ距離を置くようにしている。