金色のネコは海を泳ぐ
ドサッと……

ジュストがベッドに倒れこみ、腰を抱えられていたルーチェもそのままジュストに覆いかぶさる。ジュストの胸に耳がくっついて、少し速い鼓動が聴こえてくる。

「どうして変なの?兄様と姉様は好き同士だから抱っこする。ルーチェも僕も好き同士じゃないの?」
「違うの。そうじゃなくて……」

ルーチェがベッドに手をついて頭を上げると、ジュストはつらそうに顔を歪めた。

「何が違うの?ルーチェが僕のこと好きじゃないってこと?それならどうしてイジワルするの?全然わからないよ。わからないのは、やっぱり僕がネコだからなの?」
「違う、違うのっ」

あぁ、何が違うのだろう。

ルーチェにだってわからない。

「ルーチェと一緒にいたいって思うのは変なの?抱っこは変なの?僕が人間だから?ネコなら一緒にいられるの?」

ジュストは息を吸う間もないほどに言葉を紡いでいく。

「じゃあどうして兄様と姉様は変じゃないの?僕とルーチェと何が違うの?ねぇ、ルーチェ。教えてよ――っ」

どんどん声を荒げていくジュストは、両手でルーチェの頬を挟みこむ。

直接触れるその手はとても熱い。
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