金色のネコは海を泳ぐ
心臓が壊れてしまいそうだ。

どうかしている。

いつもと違う服を着ているせいだ……

「できた。ルーチェ、青いドレス可愛いね。いっぱい綺麗だね……お嫁さんみたい」

その言葉に、カーッと身体が火照ってルーチェは思わずそっぽを向いた。

ルーチェのドレスはアズーロブルー――マーレ王国の海のような色――のベアトップ。胸下の切り替えのところにリボンがついていて膝丈スカートはバルーン型。深い海のような色はお気に入りだ。

「ふふっ、ルーチェ、可愛い」

ジュストはなんだかとても機嫌が良いらしく……ルーチェの頭を撫でた。

その手が離れていくと、なんとなく物足りないような気持ちになってルーチェは振り向いた。目が合うと、ジュストは首を傾げてルーチェを見る。

「どうしたの?」
「な、なんでもないっ!」

ルーチェは慌ててまた目を逸らし、ドレスの上からドキドキする心臓を押さえた。

今……

何を思った?

もっと、触って欲しいと――
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