金色のネコは海を泳ぐ
部屋ではルーチェが呪文の本を熱心に読んでいて、ジュストはそれをチラリと見てからベッドに身体を沈めた。
ルーチェの甘い匂いが鼻をくすぐる。
「ルーチェ」
「ん、何?」
呼びかけても、ルーチェは本に釘付けでジュストの方を見ようとしない。今日は朝からこんな調子だ。
「ルーチェ!」
ジュストはなんだかもやもやした気持ちになって、ベッドから降りるとルーチェの腕を掴んだ。
ルーチェが驚いたように顔を上げるが、目が合うとすぐに顔を背けた。
「僕を婿にしたくないの?」
だから、ジュストを見ようとしないのか。
「ジュスト、あのね、婿は別に私の婿じゃなくても――」
「嫌!」
ルーチェじゃない、誰かの婿?
そんなの嫌だ。
ジュストはルーチェと一緒にいたいのに。どうしてわかってくれないのだろう。
ルーチェの甘い匂いが鼻をくすぐる。
「ルーチェ」
「ん、何?」
呼びかけても、ルーチェは本に釘付けでジュストの方を見ようとしない。今日は朝からこんな調子だ。
「ルーチェ!」
ジュストはなんだかもやもやした気持ちになって、ベッドから降りるとルーチェの腕を掴んだ。
ルーチェが驚いたように顔を上げるが、目が合うとすぐに顔を背けた。
「僕を婿にしたくないの?」
だから、ジュストを見ようとしないのか。
「ジュスト、あのね、婿は別に私の婿じゃなくても――」
「嫌!」
ルーチェじゃない、誰かの婿?
そんなの嫌だ。
ジュストはルーチェと一緒にいたいのに。どうしてわかってくれないのだろう。