金色のネコは海を泳ぐ
「ずっと、言ってるのに。僕はルーチェのことが好きだって……」

ジュストはルーチェの髪を耳にかけて、首筋にチュッとキスをした。

チクッとした痛みに、消えていた“印”を刻まれたと理解する。

「好き。そうじゃなきゃ、僕の印、つけたりしない」

ジュストはコツンと額を合わせた。琥珀色の瞳がルーチェを映す。

「ルーチェも、僕のこと好き。ねぇ……キス、していいよね?」

甘くルーチェを溶かすような声。

こんなことをどこで覚えてきたのだろう……それとも、これは本能?

「……バカジュスト」

悔しくてそう言ってから目を閉じたらジュストはまたクスッと笑って――

「ルーチェ、大好き」

2人の唇が初めて重なった。

柔らかくて温かい、触れるだけのキス。

温もりが遠ざかってルーチェがゆっくり瞼を持ち上げると、ジュストの金色の髪がなびいた。

……金色?

「ジュスト!?」

グッとジュストの肩を掴む。ジュストも驚いたように自分の身体を見た。

髪だけじゃない。ジュストの全身が輝きを放っている。
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