金色のネコは海を泳ぐ
「あ、あのね、僕、隣のお家を買ったの。あそこのおばあさん、とってもいい人だった。もうすぐ息子のところに引っ越す予定だったからって予定を早めて譲ってくれた」
「はぁ!?」

診療所の隣には1人暮らしのおばあさんが住んでいた。急に引っ越すと言うから心配したのだが、息子夫婦のところへ行くと言っていたので安心した記憶がある。

その後すぐに古い家の改装が始まって……そういえばその改装が終わったのは昨日ではなかっただろうか。

テラスとそこへ繋がる部屋は大きく変えていたようだけれど、その他は補強や塗装の直しくらいに留めていた。

更にジュストの爆弾投下は続いていく。

「僕、あそこでカフェをやるの」
「はぁっ!?」

ルーチェの口がまた大きく開く。

テラスとガラス張りの部屋はそのためなのか……しかし、王子が、カフェ?

「ちょ、っと……待って。あの、国王がどうのっていう、エミリー女王のお話はどうなったの?それに、ジュストはどうやって籍を入れたの?」

そもそも、ジュストがルミエール王国へ戻ったのはエミリー女王の希望だった。最終的にはジュストが勉強をするため、ということで同意して戻ったけれど……説得したということ?

しかも、死んだことになっていたジュストはどうやってその名を登録したというのだろう?
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