金色のネコは海を泳ぐ
「これね、アパタイトっていうんだって……ルーチェと会った海の色に似てるから選んだんだけど、絆を強くしてくれるんだってクロヴィスが教えてくれた」

ルーチェはジュストを見上げた。だが、視界がぼやけてジュストの顔が揺れて見える。

「泣くのは……嬉しいからだよね?」
「ん……」

頷いた拍子に零れ落ちた涙を、ジュストは唇で掬ってくれて。

「ルーチェ。僕を婿にして?」
「……バカジュスト」

“婿にして”なんてプロポーズ……聞いたことない。

それに、もうジュストはルーチェの婿になっている。

「……でも、いいよ?婿にしてあげる」

ルーチェはジュストの首に手を回してギュッと抱きついた。

「やっと、ルーチェが僕のこと抱っこした」

ジュストはクスクスと笑って、ルーチェの頭を撫でた。

「ルーチェ、大好き……」
「私も、ジュストのこと……好きだよ」

出会ったときはネコだったオトコは、ルーチェのムコになった。

海を泳いでいた金色のネコ――ルーチェの王子様。


*END*
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