金色のネコは海を泳ぐ
文句のつけようがない夕食の後、片づけを2人で済ませ、順番にお風呂に入る。

今日もいつものように、ルーチェが先に寝室のベッドに横になってうとうととしていると、ジュストがバスルームから戻ってきた。

そのままルーチェの隣に寝転がり、ルーチェをギュッと腕の中に閉じ込めてくれる。

「ルーチェ、もう眠いの?」
「そんなこと、ないよ……」

重い瞼で言っても、説得力はないのかもしれない。

ジュストはクスッと笑ってルーチェの瞼にチュッと口付けた。

「ん……ジュスト」

やがて、唇が重なってルーチェはジュストのパジャマをキュッと握った。ジュストが唇を離す。

「ルーチェ……可愛い」

フッと笑ったジュストはルーチェの頬をそっと撫でて額にキスをする。

だが……

いつもならその後「おやすみ」と言ってくれるのに、なかなかルーチェを解放してくれないジュスト。ルーチェが顔を上げると熱っぽい琥珀色の瞳と視線が繋がった。

「もう少し、だけ……キス、していい?」
「……うん」

甘えるような、それでいてルーチェを甘やかすような艶っぽい声。

ルーチェが頷くと、ジュストはもう1度額にキスを落とした。
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