金色のネコは海を泳ぐ
「……大丈夫、だから。好きな人からもらえる痛みなら、我慢できるよ?」

ルーチェだって、それがどの程度なのかも知らないし、怖いけれど。

でも、不思議と“大丈夫”と思えた。

「本当?」
「ん……優しく、してくれるんでしょ?」
「うん……」

ジュストはギュッと抱き締めてくれた。

初めて知った気持ち。

「ルーチェ、好き……好き……っ」

ジュストはどこまでも優しくルーチェに触れてくれた。

「大好き――っ」
「ぁ……っ」

ジュストはやっぱり何度も「好き」と囁いてくれて、甘い痛みとともに、ルーチェは初めてオトコの人を知った――
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