金色のネコは海を泳ぐ
「ルミエールではネコも贅沢なの?」
ルミエール王国は、華やかな貴族の国という印象だ。夜のルミエール城は呪文でライトアップされて綺麗だと旅行に行ったクラスメイトの誰かが話していたのを覚えている。
だが、ルーチェのルミエールに対する印象はどちらかというと“怖い”というもの。
よく争いが起こってニュースになっているし、ルミエールのお城に招かれるクラドールは帰って来ないなんて話も聞く。
そこまで考えて、ルーチェは首を振った。
変なことを考えるのはよそう。ルーチェはクッキーとボールをトレーに乗せ、鍛錬に使っていた写真集と一緒に持った。
だが、研修室を出て階段を上がっていく間もルーチェはルミエール王国について考えることをやめられなかった。
「確か、最近国王様が変わったんじゃなかったかなぁ?」
ニュースなんて堅苦しいものはあまり見ないが、グラートやブリジッタが朝食のときに必ずニュース番組を見ているのでなんとなく聞いている。まぁ、大体が右から左へ抜けるのだけれど。
そんな曖昧な記憶を辿りながら自室へ入ると、オロが窓に前足をかけて外を見つめていた。
「オロ」
「にゃー?」
ルーチェが声を掛けるとオロはベッドに座り、ルーチェの持っているトレーをじっと見た。
「やっぱり食べるんだ。はい」
ルーチェはトレーをベッドの上に置いてあげた。オロは嬉しそうに鳴いて、クッキーに口をつけ始めた。
ルミエール王国は、華やかな貴族の国という印象だ。夜のルミエール城は呪文でライトアップされて綺麗だと旅行に行ったクラスメイトの誰かが話していたのを覚えている。
だが、ルーチェのルミエールに対する印象はどちらかというと“怖い”というもの。
よく争いが起こってニュースになっているし、ルミエールのお城に招かれるクラドールは帰って来ないなんて話も聞く。
そこまで考えて、ルーチェは首を振った。
変なことを考えるのはよそう。ルーチェはクッキーとボールをトレーに乗せ、鍛錬に使っていた写真集と一緒に持った。
だが、研修室を出て階段を上がっていく間もルーチェはルミエール王国について考えることをやめられなかった。
「確か、最近国王様が変わったんじゃなかったかなぁ?」
ニュースなんて堅苦しいものはあまり見ないが、グラートやブリジッタが朝食のときに必ずニュース番組を見ているのでなんとなく聞いている。まぁ、大体が右から左へ抜けるのだけれど。
そんな曖昧な記憶を辿りながら自室へ入ると、オロが窓に前足をかけて外を見つめていた。
「オロ」
「にゃー?」
ルーチェが声を掛けるとオロはベッドに座り、ルーチェの持っているトレーをじっと見た。
「やっぱり食べるんだ。はい」
ルーチェはトレーをベッドの上に置いてあげた。オロは嬉しそうに鳴いて、クッキーに口をつけ始めた。