金色のネコは海を泳ぐ
朝食の後、部屋に戻ったルーチェは昨日借りた新聞ファイルを開いた。
「えーっと、どこまで読んだっけ……」
政治経済の話はザッと読んだと思う。当たり前かもしれないが、ネコに迫る内容はなかった。
文章を大雑把に目で追って行き、『知られざる王室の確執』というところで目を留める。
王家というのも華やかなだけでは語れないのだな、なんて考えて。マーレの国王や王子たちはとても優しそうで国王と王妃の仲も良さそうだけれど……
それは“外面”というやつなのだろうか?
特にネコについてわかるような内容ではないだろうけれど、ルミエールについて書かれている記事も少ないのでなんとなく目で追っていく。
『正妃イザベル様の息子、ロラン王子と側室アンナ様の息子、ユベール王子との確執は公に語られたことはなかったが、ルミエール国内では有名な噂であった。だが、先日ロラン第二王子の起こした暴動により、もう1人の王子の存在が判明。ダミアン前国王とお気に入りの女性との間に生まれたというジュスト第三王子である。彼は――…』
どうやらルミエールは権力争いで揉めたらしい。ブリジッタが好きな雑誌の中の話でもあるまいし……
ルーチェは頬杖をついて続きを読んでいく。
「眠り王子、ねぇ……」
どうやらジュスト第三王子は生まれたときから眠ったままで、何人ものクラドールがトラッタメントを試みたけれど目を覚ますことなく、ロラン第二王子に殺められるという何とも悲惨な形でその生涯を終えてしまったらしい。
「えーっと、どこまで読んだっけ……」
政治経済の話はザッと読んだと思う。当たり前かもしれないが、ネコに迫る内容はなかった。
文章を大雑把に目で追って行き、『知られざる王室の確執』というところで目を留める。
王家というのも華やかなだけでは語れないのだな、なんて考えて。マーレの国王や王子たちはとても優しそうで国王と王妃の仲も良さそうだけれど……
それは“外面”というやつなのだろうか?
特にネコについてわかるような内容ではないだろうけれど、ルミエールについて書かれている記事も少ないのでなんとなく目で追っていく。
『正妃イザベル様の息子、ロラン王子と側室アンナ様の息子、ユベール王子との確執は公に語られたことはなかったが、ルミエール国内では有名な噂であった。だが、先日ロラン第二王子の起こした暴動により、もう1人の王子の存在が判明。ダミアン前国王とお気に入りの女性との間に生まれたというジュスト第三王子である。彼は――…』
どうやらルミエールは権力争いで揉めたらしい。ブリジッタが好きな雑誌の中の話でもあるまいし……
ルーチェは頬杖をついて続きを読んでいく。
「眠り王子、ねぇ……」
どうやらジュスト第三王子は生まれたときから眠ったままで、何人ものクラドールがトラッタメントを試みたけれど目を覚ますことなく、ロラン第二王子に殺められるという何とも悲惨な形でその生涯を終えてしまったらしい。