金色のネコは海を泳ぐ
その夜、夕食やお風呂を済ませて寝仕度を整えたルーチェがベッドに入ると、オロももそもそと布団にもぐりこんでルーチェの隣に顔を出した。

琥珀色の瞳がじっとルーチェを見つめている。

「寝るよ?」
「にゃー」

オロはYESと鳴いたけれど、それは少し寂しそうな鳴き方だった。

ルーチェはオロを優しく引き寄せて胸に抱いた。そして背中を撫でてあげる。

「今日は甘えん坊で変なの……」

でも、たまにはこういうのもありかな、なんて思うのはどうしてだろう。いつもオロが助けてくれるからだろうか。

彼が寂しそうにしているときは抱き締めてあげたいと……そんなことをネコに対して思うルーチェの方が変なのだろうか。

「にゃうん」

オロはひしっとルーチェの胸元にくっついて。ルーチェもオロの高めの体温を抱きながら、ゆっくりと夢の世界へ誘われていった。
< 69 / 268 >

この作品をシェア

pagetop