金色のネコは海を泳ぐ
――――…

細身の男の子がルーチェの視線の先、ずっと遠くに立っている。明るい茶色の髪の毛がふわりとなびいているようだ。

何度も「ルーチェ」とどこからか声が聴こえてくる。

自分が進んでいるのか、それとも彼が後退してきているのか……だんだんと近づいてくるのに、その男の子が振り返ることはない。

「ルーチェ」という声は近くなることはなく、その男の子が発しているのかも定かではない。

そして、ルーチェの目の前に彼の背中が大きく映って――

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