金色のネコは海を泳ぐ
ルーチェが部屋に戻ると、オロはいつも通り金色に近い茶色でベッドの上にいた。窓に前足をかけて遠くを見つめている。
その姿を見て、ルーチェはチクリとした痛みを感じた。
オロはよく窓の外を見つめている。ルーチェには懐いてくれているようだけれど、やはりアリーチェの言うように元いた場所へ帰りたいのではないだろうか。
そう思うと、なぜか胸が苦しくて。ルーチェはフッと息を吐いてベッドに座った。
「にゃうん」
オロはベッドが沈んだことでルーチェに気がついたらしく、窓から離れてルーチェの膝に乗った。
「にゃっ、にゃっ」
ルーチェの胸に前足を添えて身体を支え、じっと琥珀色の瞳でルーチェを見上げるオロ。ルーチェが首を傾げると、その瞳が揺れた気がした。寂しそうに……
「オロ……帰りたいの?」
思わずそう問いかけた。
「にゃぁ」
すると、オロは頬をルーチェの胸に摺り寄せて抱きつくような仕草を見せた。“帰らないよ”と、言っていると思っていいのだろうか。ルーチェは堪らずオロを抱きしめた。
「ねぇ……私、研修も頑張るから、だから……」
“帰らないで”――そんな風にネコに言うのは変なのかもしれないと頭の隅で思いながら、オロは不思議なネコだからルーチェも不思議な気分になるのかもしれないと変な理由をつけて。
「だから、そばにいて」
「にゃー」
その、ルーチェのお願いに、オロがYESと鳴いてくれたことがとても嬉しかった――
その姿を見て、ルーチェはチクリとした痛みを感じた。
オロはよく窓の外を見つめている。ルーチェには懐いてくれているようだけれど、やはりアリーチェの言うように元いた場所へ帰りたいのではないだろうか。
そう思うと、なぜか胸が苦しくて。ルーチェはフッと息を吐いてベッドに座った。
「にゃうん」
オロはベッドが沈んだことでルーチェに気がついたらしく、窓から離れてルーチェの膝に乗った。
「にゃっ、にゃっ」
ルーチェの胸に前足を添えて身体を支え、じっと琥珀色の瞳でルーチェを見上げるオロ。ルーチェが首を傾げると、その瞳が揺れた気がした。寂しそうに……
「オロ……帰りたいの?」
思わずそう問いかけた。
「にゃぁ」
すると、オロは頬をルーチェの胸に摺り寄せて抱きつくような仕草を見せた。“帰らないよ”と、言っていると思っていいのだろうか。ルーチェは堪らずオロを抱きしめた。
「ねぇ……私、研修も頑張るから、だから……」
“帰らないで”――そんな風にネコに言うのは変なのかもしれないと頭の隅で思いながら、オロは不思議なネコだからルーチェも不思議な気分になるのかもしれないと変な理由をつけて。
「だから、そばにいて」
「にゃー」
その、ルーチェのお願いに、オロがYESと鳴いてくれたことがとても嬉しかった――