イチゴの空
6時まで10分
私は、壁に掛けてある時計を見た。
6時まであと10分ある。
今日の下校時間は6時だから、もうすぐ部活は終わる。
一緒に帰ろう、って誘おうかな。
確か、高橋の家は、私の家と同じ方向だったと思うんだけど。
「垣田さん…?もしかして、怒った?」
ずっと黙っていると、北野君は不安そうな顔で私の顔を覗き込んできた。
「いや、怒ってないよ、大丈夫。」
と言って、私は北野君に笑いかけた。
北野君も安心したみたいで、ニコッと笑った。