晴れのち雨

走り続けること約30分、マンションの駐車場に入って行く。


「ここ、俺の家やねん。」

と言いながら丁寧に駐車した。



ドアを開けて出ようとした先生に

「ちょっと待って!!」

と引き留めた。



「あの、これ...」

持っていたライターの入った紙袋を渡した。


「雪で袋は濡れてますけど、中身は大丈夫なんで。迷惑かなって思ったんですけど良ければ貰って下さい!」


「ありがとう。全然、迷惑ちゃうよ。」


先生の顔を見ると笑っていて、それに安心していると


「そこのボックス開けてみて。」


先生に言われた通りにグローブボックスを開けた。



そこにはチェック柄に包まれて小さなリボンを付けた可愛い箱が入っていた。

「俺もめっちゃ迷ってんけど....良かったら貰って?」

少し照れながら先生が言った。


思ってもみなかったプレゼントに嬉しくて嬉しくて、何も言えなかった。
私と同じようにプレゼントを考えてくれていた先生。
先生からのプレゼントを取り出して、
そっと抱きしめた。


「ありがとう!!嬉しい!」


「そこまで喜ばれると買った甲斐あるわ〜 ちょっと待ってて。」


先に車を出て、助手席のドアを開けてくれた。
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