晴れのち雨
「そこまでエスコートしなくても良いですよ??」
「彼女には少しでも良いとこ見せとかんとな。」
悪戯っ子のように笑う。
ただでさえ煩い心臓がキュッとなった。
マンションに入って、エレベーターで二人きり。
車とはまた違ったドキドキが私を襲う。
「ト...トモは7階に住んでるの?」
7階を押したのだから、わざわざ訊かなくてもいいのに、ドキドキに耐えられなくて訊いてしまう。
「うん。何か...アオちゃんにトモって呼ばれるの新鮮でええな〜」
「そうですか...」
「アオちゃん。緊張してるやろ?」
バッと先生との距離を広げて先生を見上げた。
「ぷはっ!図星や!」
わ...笑われた!!
そしてからかわれてる?!
「安心しぃ。流石にいきなり取って食わへんから。俺、紳士やし。」
「ロリコンでも?」
「紳士にロリコンは関係ないやろ!?
てか、アオちゃんがそれ言ったらアカンって!」
自然と緊張はほぐれていった。