晴れのち雨
そこには笑顔でいっぱいの幸せそうな3人家族。
今より少し若い先生と女の人と3歳ぐらいの男の子が写っていた。
言われなくても分かる。
先生の奥さんとお子さんだ。
その証拠に男の子は先生によく似ていた。
奥さんは自然な茶色をしたフワフワのショートヘアだった。
目はクリクリした大きな瞳で、美人というより可愛い人だった。
「嘘つき。」
誰もいない部屋で呟いていた。
純日本人が好みって言ってたくせに。
奥さんははっきり言って真逆の人。
好きになればなるほど辛くなるのは知ってたのに。
自分の覚悟の甘さに気づかされる。
写真なんか見なきゃ良かった。
現実から目を背けるように
写真たても倒れたままにしておいた。
出されたお茶の前に座る。
彼女扱いされて舞い上がっていた気持ちは一気に冷めた。
バカみたい。
彼女なんかじゃない。
涙がこみ上げてきたが、先生がお風呂から上がったのが分かったので必死に抑えた。