晴れのち雨
「おかえり。」
リビングに入ると、笑顔の先生が待っていた。
おかえり...と先生が自分を待ってくれていた。
彼女ごっこの一環だったとしても
今の私の心を掴んで離さなかった。
「あ!ごめん!
着替えを用意しとくん忘れてたな〜」
私に着替えを貸そうと立ち上がった先生を
「先生、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
と制した。
「アオちゃん...」
そのまま私に近づく先生。
壁と先生に挟まれて動けない。
「せ、先生。」
えっ、ちょっと...
え?いきなり?!
心臓が爆発しそうなくらいバクバクしている。
先生の顔が近づく。
「トモ。」
耳元で言われた。
「へ?」
「先生、じゃなくてトモ...やろ?
あと敬語に戻ってるで。」
「あ...すみません。」
「いえいえ。真っ赤やね。」
私から離れるとクスクス笑いながら
ソファーに座り、私に隣を勧めた。
またからかわれたかな、私。