晴れのち雨
「え?!」
隣を見ると先生が固まっていた。
「えっ?」
それに驚く私。
「いや、あの、なぁ?」
しどろもどろになる先生。
「アオちゃん彼氏おったやんか?」
「はい。」
先生は何が言いたいんだろう。
「うん。だからそのなぁ...初めてとか思ってなかったというか何というか...」
なるほど。
そういうことか。
「確かにこういった類いのことが無かった訳じゃないんですけど、結果的には無かったまま別れたというか...」
「そっか」
時計の音だけが聞こえる。
「初めてやのに良いん?」
「初めてだから先生が良いんです。」
自分で言って恥ずかしくなった。
そっと先生の肩に触れようとしたら
手首を掴まれた。
「無理だけはせんといてな。帰さん、とか言ったけど今なら間に合うで。前にも言ったけど、俺はアオちゃんの笑顔が好きやから。」
さっきとは打って変わって真面目な顔をする先生。
「大丈夫だよ、トモ。
私の気持ちはあの日から変わらないから」
片手で先生を抱きしめた。