晴れのち雨


ふと目を覚ますと、暗闇の中に照らされた先生の後ろ姿。

私が起きたのに気づいた先生は

「大丈夫?」

と私の顔にかかった髪を払ってくれた。


コクリと頷く。



先生はベットの横にある小さな棚から煙草を取り出した。

「ちょっと吸ってくるわ」

とベットに腰をかけた状態から立ち上がろうとした。

ぱっ、先生の腕をつかむ。

私を見つめる先生。

恥ずかしくて俯いた。


「ちょっとだけ、待っといて。」


と持った煙草を棚に戻し、額にキスを落として出て行ってしまった。



静まった部屋に私一人。


哀しみが私を包む前に先生が戻ってきた。


「寂しかったん?」

少しの変化にも気付いてくれる。

「ごめんな?」

私の髪の毛を梳きながら謝る。


「ううん。トモは悪くないの。
私って全然ダメだなぁ...」


先生は少し困った顔をして

「そんなことないで。」

とベットに座った。
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