晴れのち雨
guilt
寝室を出るとき
「ちょっと大きいけど、良かったら」
とても綺麗なスエットをどこからか出してくれた。
「良いの?」
「うん。貰い物やねんけど全然サイズ違うくて、一回も着てへんねん」
「ありがとう」
スエットを受け取った。
「どう致しまして。役に立つ事があるとは思わんかったわ」
目を細める先生。
シャワーを浴びながら
先生との思い出を振り返る。
先生との思い出は
雨に濡れてばかりだった。
だけど雨に流されなかった。
きっと先生に出逢う前の私には戻れないだろう。
これで良かった、と思う。
お風呂から出ると鏡の中に私がいる。
首には紅い痣が一つ。
せめてこの痣が消えるまでに
私は貴方のことを忘れないと
紅い痣は私にとっては重くて、私を縛りつけた。