晴れのち雨
「先生に告白したけれど、先生は自分の事を人に好かれる人間じゃないって言いました。」
うん。と曇った返事が一つ。
「私は先生が何と言おうとも、どんな人間でも好きなんです。
きっと、先生と出逢ってしまった時点で貴方に恋をしちゃうの....」
目を開けて、先生と視線を交わす。
「先生から悲しみを取り除いてあげたいって思いました。
だけど...これは単なる自己満足であり、先生の側に居たいと思う言い訳でした。」
「葵...」
こんな時でも先生に名前を呼ばれると
心がキュンとなる。
「先生に抱かれて、笑顔でサヨナラしようって思ってました。
少しでもいい女だと思われたかった...!」
私の話を真剣に聞いてくれている先生。
「だけど、駄目なんです。
私はまだいい女になれないし、なりたいと思えるほど大人じゃなかったんです」