晴れのち雨
結衣と別れて一人で歩いていると
「葵!!」
声のする方を向くとシュウがいた。
「久しぶり、シュウ。元気?」
「おう。葵は?」
「元気だよ。」
大学生になってからも、シュウはたまに遊びに誘ってくれていたが断り続けていた。
「こないだは誘ってくれたのにごめんね」
「気にすんなって。諦めない俺が悪いだけだから。」
そう言って笑うシュウを
私は何度も見てきたんだろう...
シュウを失いたくないと思うけれど
シュウを一番に思えない私は、本当に馬鹿だと思う。
「あ。ごめん。嫌だった?」
心配するシュウ。
「嫌じゃないけど、シュウには他に良い人がいると思うよ?」
「かもな。でも、好きだから仕方ない。
葵もそうだろ?」
「そうだね...」
「そんな顔すんなって!
これでも葵の恋、応援してっから!」
仕事場の作業着がすっかり似合うようになったシュウは、2歳しか違わないのに気がつかないうちに大人びた表情をするようになった。