晴れのち雨

「うん。」


何を言えば良いのか少しも分からなかったけれど、久しぶりにちゃんとシュウを見れた気がした。

それは、私も少し大人になった現れかもしれない。


その後は何も話さず歩いた。

だけど、気まずさなくて穏やかな時間の流れを感じていた。




「んじゃ。」

「うん。またね」


私の家の前に着いてシュウと別れる。

あ。
気づかなかったけれど、シュウに遠回りをさせてしまった。


「ごめん!気をつけて帰ってね!」


そう遠くないシュウの後姿に叫ぶ。


振り返ったシュウは不思議そうな顔した後に、あぁと頷きながら


「いえいえ。元彼の特権ですから。」


と手を振って行ってしまった。



シュウと過去の思い出をを笑って話せるくらい、大人になれる日がきたら良いな...
なんて私が言っちゃいけないんだろうけどそんな日を夢見る。





ねぇ、先生?
今よりもっと大人になった私に気づいてくれるかな?


桜がまだわずかに眠る中、
私は貴方に逢える日が待ち遠しいです。
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