晴れのち雨
そこには同じく薄紫色で刻まれた花。
「あっ!そうだ!
私があげたライターの誕生日花だ。」
「正解。」
「そういえば...あの日も先生marrowって言ってたのに意味を教えてくれませんでしたよね?」
「え?そうやったっけ?」
惚け続ける先生。
「もう!意味を知らないって言ったのにやっぱり嘘だったんだ!」
怒っている素振りをした。
「葵」
突然、名前を呼ばれたので返事をした。
「葵」
「うん?どうしたの?」
不思議そうな顔をする私を見て笑う。
「花の名前、葵やで」
「え?」
あいた口が塞がらない私。
「気持ちは分かったから、とりあえず口閉じよか。」
そっと私の顎を上げて口を閉めてくれた。