晴れのち雨
memory
年末のある日の午後。
先生と私はスーツを買いに出かけていた。
「うーん。何か違う。」
これで5着目のスーツの試着。
「葵、そんなにこだわらんで良いで?」
「ダメだよ!ちゃんとしたの着ないと、生徒に笑われるよ?」
「流石に高校生がそんなん気にせえへんやろ?」
「気にしてたら??」
「えっ?!葵、気にしてた?」
焦りだす先生。
「勿論。スタイル良いのに何か残念だなーって思ってました。ちなみに周りの塾の友達も言ってました。」
先生は「はぁー」と諦めて、その後は文句を言わずに着々とスーツを着ていった。