晴れのち雨
大学の前に着くと、多くの学生が出入りしていた。
「入っても大丈夫かなぁ」
「大丈夫やろ。卒業生やし。」
私の不安をよそに大学内へ進んで行く。
「ちょっと、トモ?!」
先生の後ろを歩いていると
「ん。」
と手を差し伸べられた。
私がその手に自分の手を重ねると
すっごく嬉しそうな顔をされた。
ねぇ、先生?
気づいてる?
今、私とっても幸せだよ。
私の為に連れてきてくれたんでしょ?
「ありがとう」
「うん?なんか言った?」
少し前を歩いていた先生が振り返る。
「ううん。何も言ってないよ?
それよりトモ歩くの速いよ。
一緒に並んで歩けない。」
「ごめん。
葵が隣におると嬉しくて...」
「ていっ!」
人差し指で先生の頬を突く。
「それは私も同じなので、理由にはなりませんよ?」
「ははっ。葵先生には敵わへんわ〜」