晴れのち雨
大学内を思い出話をしながら、
先生と回った。
私の知らない先生を沢山知った。
先生の知らない大学生の私を教えた。
2人で歩いていると、
大学生の頃に戻ったみたいだった。
大学内にチャイムが響くー
「帰ろか、葵。」
「うん。」
繋いだ手を強く握って、大学を出た。
視線を下にすると2人の影があった。
重なっては離れ...
離れては重なる...
先生と私に似ているなぁ...
夕暮れに伸びる影には私の夢が詰まっていた。
ずっと2人の影がどんな形になってしまっても、並び続けてたら良いな。
あの時、下ばかり向いていた私は
些細なことを見落としていた...
そして時間が経つにつれ、
影が無くなることに気づけなかった...