晴れのち雨
先生がくれた言葉には
私を泣かせる力があった。
「ごめん。嬉しすぎて...」
先生が労うように頭を撫で、涙を拭いてくれた。
「ふふっ。トモ、お父さんみたい。」
ちょっぴり恥ずかしくて茶化した。
「ホンマに?!」
私の冗談を本気にする先生。
「んじゃ、これは?」
私の瞼にキスを一つ。
「流石にお父さんはせえへんやろ?」
「...っ!!」
先生の魔法でさっきまでの不安と涙が消えた。
「あ。これプレゼント。」
私の掌に鍵を乗せた。
流石に家の鍵...じゃないな。
「車の鍵?」
「そうやで。葵も免許持ってたやろ?」
どうして車の鍵を私に渡したのか分からなかった。
「おそろやな。」
チャリっともう一つの車の鍵を、私に見せる先生。
ま。いっか。
お揃いを喜ぶ先生を見て、どうでもよくなった私は気にしないことにした。