晴れのち雨
crisis
それから先生が出張に行く前日、
私は先生の家で過ごしていた。
「明日から寂しくなるな。」
ベッドの上で足を伸ばしながら座って、
しんみりと言ってみた。
隣で寝転ぶ先生の反応はない。
「トモ、聞いてる?」
「聞いてるで。可愛い恋人が寂しがってんねんやろ?」
「慰めたりしてくれないの?」
「そんな余裕ないわ。
俺の方が寂しいねんから。」
「トモ、可愛い。
慰めてあげよっか?」
「是非、お願いします。」
両手を広げるトモに抱きつく。
「あんな、葵。」
「ん?」
私を胸に閉じ込めたまま話し出す先生。