晴れのち雨
「俺...ずっと家族を無くしてから、俺だけが幸せになったらアカンって思っててん」
ぐいっと顔だけを出して、先生を見る。
「あの時無理矢理にでも迎えに行ってたら波美達は生きてたのに。俺が殺したんやって、自分で自分を責めてた。」
「だけどな...ホンマは気づいててん。
俺が自分自身を責めて前に進まんのは、波美達が望んでないって。」
ただ静かに先生の話しを聞いていた。
「波美な...俺が病院に駆けつけた時、まだ生きててん。波美に謝る俺に
"智裕は悪くない。悪いのは雨のせい。だから智裕は幸せにならないと怒るよ?"
って今にも息が切れそうやのに説教されたわ。」
「だけど...全然前に進まれへんかってん。雨は恐いし、龍馬達が励ましてくれてんのに、それに応えられへん。」
「自分で自分が情けなかった。」